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五月雨日記<仮の宿>

イラスト+漫画やアニメの感想等。 最近はプリキュアと東方多めです。

chapterⅤ-Ⅲ reality -現実-






「ちっ……てめぇまた……」
「貴女は……!」
その声の主は、蓮と初めて会った日に
蓮を襲っていた魔女と――数十人の男達……。

「蓮っ! 今日こそ私の親衛隊に入ってもらうんだからぁっ!
 それに! そこのメガネっ子ぉっ!! 
 この前の仕返し、た~っぷりしちゃうんだからぁっっ!!」
そう言って、魔女は椿を睨む――

「えっ? 私っ!?」
驚く椿に対して……
「……何度も言わせるなっ! 断ると言ってるだろうがっ! つーか
 てめぇまた……こんな引き連れて……相変わらず用意周到な女狐め……」
蓮は魔女の後ろに控える、大量の男達を睨む……
どうやら、彼女の親衛隊のようだ。
「キツネじゃないもんっ☆ ウサギさんだもんっ♪
 今蓮がここにいるの、可愛いランサぁ君が教えてくれたのよ~☆」

ランサぁ=ランサー=lancer=槍使い……つまり――
「……アイツか……」
「……昂さん、ですね……」
2人はその情報源をすぐに察し呆れ気味だった……
「蓮、この前助かったのはマグレよぉ?
 こっちはまたい~っぱい、親衛隊増えたんだよ?
 だから蓮、無駄死にしちゃうよぉ?
 だから、今日こそ私のシモベになりなさぁい?」

「絶対ぇ嫌に決まってんだろっ!? いいかげん諦めろっ!」
「い~や! 諦めないよぉっ☆ 言う事聞かない悪い子はぁ、力づくで
 引き込んじゃうんだからぁっ!皆ぁ~!蓮とメガネ殺っちゃえ~!!」
「お~っ!」
そして、魔女と男達が向かってきた――そんな中、
「きゃっ……こんな所でバトルなんて……きっ……危険すぎますって!!」
……またも、このエリア「戦争の森」のモンスターが、銃を乱射し始める――

「またこの展開かよ……場所を変えるぞ……!」
「え? え?」
蓮はどんどん走り、椿もそれに続く――そして――背景が、途切れた……
「なっ……景色が……!? 何処に行くのですか……!?」
「直に解る……! ……だから今はっ……黙って付いて来いっ!!」
「はっ……はいっ……!!」
「着地する時は――地に両足を付けろ」
「え?はいっ……!?」
とにかく付いて行くと――見慣れた町、椿の家の近所に出た。

「えぇっ!? ……ここ私の家の近所――」
椿は、意外な風景を目にし――驚きを隠せなかった……。
「……バトルフィールドは常に――現実世界のどこかと繋がっている――
 お前の家の近くに、このフィールドがあるように……な」
「それで以前……初めてお会いした時――蓮さんは――あの場所に……」
椿は思い出す――蓮と初めて会った日の事……
2人は椿の神社で出会ったのだ――

「……あのフィールドはプレイヤー同士のバトルはしにくい……
 っつ―より明らか無理だ!! モンスターも襲って来るからな……」
「そうですね……」
「そういえばお前――現実世界でのバトル、あの時以来か?」
「はいっ……というか……降りないんですか?
 こんなに高い所っ!? おっ……落ちたら死ぬじゃないですか!?」
2人は今、ビルの屋根の上――地面に降りてはいなかった。

「あの魔女の野郎が飛べる高さは限界がある……上から
 攻撃されたら――避けるのは難しいが、同じ位の高さにいたら
 まだマシだからな……おそらくあの女は今日もまた、最後まで
 男任せにするつもりで高みの見物だろーが……念の為だ」
「そういえば……飛行能力って反則級の能力だと思うんですが……
 これもランダムなんですよね?」
「……飛行能力に関しては、違う……創造者絡みはなんでもアリだろーが
 基本的にあの能力を持つのは『あいつら』だけだ……」
「『あいつら』……? 他は竜さんや、天使の方と……
 他にも……?? 何か共通点が……?」
椿は他の飛行能力を持つRPGキャラを思い出す――
竜、そして――碧を元に戻す時に現れた天使……

「……創造者は『そいつら』はわざと飛べるように設定している
 みたいだ……『2人目』はおそらく――『3人目』みたいに2代目だけ
 使えるパターンだろーが……だからきっと、あの時のあの野郎は
 どうせ……とにかく落ちても――着地の時、両足を着けば問題ねぇっ!
 俺がてめぇと初めて会った時もそうだった……あの野郎に
 突き落とされて落ちた時も両足を着いたら死ななかったしな」

「……でっ……でも……もし両足を着く余裕なくて頭から落ちたり
 他の所から落ちて着地失敗したらどうなるのですか……?」
「――間違いなく死ぬな」
蓮はさらりと怖い事を言った……。
「ええぇぇっ!!?」
「んな事にいちいちビビってんじゃねぇっ!!あの時の怪我は
 全て、落ちる前にあの連中を相手した時に付いたものだった……」
「そう、だったんですか――じゃあ、あの時もお一人であの大人数を!?」
「ああ……でもまた増えてやがるっ……っ……来るぞっ!」

それから、魔女と親衛隊の男達が追い付いた――
「お~いつ~いた☆ じゃあ皆ー!頑張って蓮倒そう~!頑張って
 くれた人達にはぁ……恒例の特別サービスも付けちゃうからね~☆
 ちゃーんと一人一人の活躍、見てるからよろしくねー!!」
「綾様の特別サービス!!うぉぉぉぉ!!いくぞぉぉぉ!!!」
椿と蓮を男達が取り囲む――そして、攻撃を仕掛けてきた……

「……くそっ……!」
明らかに不利な状況の中、蓮は次々と敵を倒す。
一方椿にも――
「綾様の恨み~!」
「あれは正当防衛です……! カウンター魔法使っただけですよ!?」
綾のファンから敵視され、攻撃魔法を使われる。
椿は必死で身を守りながら――襲ってくる男達に抗う。

------------------------------------------

「あの眼鏡っ子……初心者っぽいのに、やっぱりなかなか強い……?
 この前のはマグレじゃなかったの……?」
一方、綾は――戦いには参加せずに、椿と蓮、親衛隊の戦いを見ていた……。
「ねぇ諷(いさむ)君――あの子の事、知ってる?」
椿達を見守る綾は――ただ一人、傍に残っていた小柄な侍に声をかける。
「……拙者は初めて見るプレーヤーでござる」
諷と呼ばれた小柄な少年は――長い黒髪を頭の上で1つに結び、
新撰組のような羽織を纏い、下駄を履いていた。

「まーあの眼鏡っ子の方も強いみたいだろうけど、 蓮程じゃないだろう
 し、放っておいても親衛隊達がなんとかして、そのうち死んでくれる
 はず♪ だから諷(いさむ)君――今度こそ蓮を、殺ってきて。」
「……先日拙者はその命を守れず――蓮殿に敵わなかったのだが……」
諷は――思い出す。先日蓮を襲撃した時、諷は――蓮に殺されたのだった。

「でも、前に――蓮をあそこまで追い込んだのは諷君だったもん☆
 あの時のおなかの傷――確実に致命傷だった。今日も良い線いくよ♪」
「でも――あの巫女の能力は未知数でござる……先日、綾殿もダメージを
 受けたのであろう? 剣技しか使わぬ……というより、おそらく使えぬ
 蓮殿とは違い、綾殿が攻撃を受ける可能性も――
 守りを手薄にする訳にはいかないでござる」
「心配ありがと♪私は大丈夫だよ☆
 それに諷君ならすぐに――蓮、殺せるよ!」
「……それに他の者殿の手柄の事もあるし、あまり気は進まないでござる」

綾自身、自分の体を張った過激な『特別サービス』……それを欲する
多くの親衛隊達は、綾に良い所を見せようと――綾を想う気持ちを
証明すべく、蓮を攻撃していた。そして……誰がどれだけ頑張っているか。
どんな風に頑張っているか。それを見た上で褒め、サービスする為に
綾は攻撃には参加せず、見守りに集中していた。一方諷は――
遠距離攻撃等で綾が襲われた時、綾を守るという理由に加え、多少は
仕方ないと割り切っているとはいえ――他の親衛隊の嫉妬を買わないよう
今日は守りに徹しようとしていた。

「……諷君は、私の“あの”サービス求めないもんね~男の子なのに。
 そういえば――リアルで彼女持ち?」
「……!ご冗談をっ……拙者にはそういう人はっ……」
「あはは♪だよね~だったらこんな事してる暇ないもんね~
 なんでつるんでくれてるか、不思議な位……」
……僕はただ……“鈴ちゃん”を“監視”してるだけだよ
「……諷君?」
「なんでもないでござる♪」
諷は一瞬、綾に聞こえないよう、現実世界の口調で呟いた後、
明るい笑顔を向ける――

「諷君は――明るくて優しい皆の弟キャラ的存在だし、皆も恨まないよ?
 まぁ諷君、その辺りも上手いな~っていつも尊敬してる(笑)
 それに――諷君がもし、嫉妬した親衛隊の誰かに襲われるような
 事あったら――私、ちゃんと怒るし。そうならないように、皆に
 ちゃ~んとサービス、できるだけ万遍なくするし? だから、いってきて」
「……承知したでござる」

そして諷は蓮の元へと向かい……俊敏な動きで――
無言で、鋭い瞳で……ためらいなく――二本の刀を振り翳す。
「またコイツっ……!?今日も来て――」
蓮は瞬時に思い出す――椿と初めて出会った時の事……今もまた、
自分に襲い掛かっているのは――他の親衛隊とは一線を画す戦闘能力の
持ち主……あの時椿が回復魔法を使わなければ、自分はおそらく――

「蓮さん危ない……!! ダメぇ……!!」
諷の一撃必殺が蓮を襲う――
その瞬間――何が起こったのか分からなかった。
「……っ痛ぅっ……!」
攻撃を受けるはずの蓮の位置に、椿は瞬時に移動していた……
諷が蓮を殺す為に翳した刃――
渾身の一撃は、見事椿の身体に命中したのだった……

なっ……!? この巫女っ……一瞬でこの場所に……!?
 僕は確かに蓮を仕留めたはずなのに……どうなってる……!?
 何か特別な能力が……!?

「諷おしかったなーでもこの巫女死にかけてるから、これで
 蓮だけに集中できるな!……バカだなぁ、こいつも……綾様に
 立てつくからこーなるんだよ!さっ綾様に褒めてもらう為
 頑張ろうぜ♪ご褒美ご褒美☆」
呆然とする諷に親衛隊の一人が楽しそうに声をかける。

「蓮……さん……」
蓮は――次々と襲いかかる親衛隊と戦うのに必死の様子だった。

――目が霞む……蓮の後ろ姿もどんどん薄れゆく――

これが、この世界の死……? でも、妙にリアルだ

――痛い……イタイ……体中に、生温かい血がまとわりついていた――

意識が薄れゆく……目の前が、真っ暗になる――音も聞こえない……

私――どう なったの……?

そう、思っていた時――

「ゲームオーバー!
 このままゲーム続ける? それとも現実世界に帰る??」
それは、昂の声だった――
「もちろんっ……続けますっ! 今すぐっ……」
「それは無理だよ」
「えっ……」
その瞬間、目の前には――
周りがスクリーンで囲まれた部屋、そこには昂がいた。

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コメント

こんばんは

追いかけっこ(笑)の様子はなんだかほんわかしているけども
やはりバトルになると緊迫してますね
お~フィールドは常に現実世界のどこかとリンクしているのも
面白い世界ですね☆

諷君の一撃から守った!ともったらまさかかわりに一撃を
受けてしまうなんて・・・・いったい椿ちゃんはどうなってしまうのか
すごく続きが気になりますね
(というか無事でいてほしい><)

  • 2018/03/03(土) 18:14:58 |
  • URL |
  • 荒ぶるプリン #-
  • [ 編集 ]

っきゃーっ

つ、つ、椿ちゃ~んっ。
痛かった?かわいそうに、
もーっ。諷きゅんダメですよぅ。
女の子になんてコトするですかぁ?
ホントは、こんなコトするコじゃ
ないですよね。
せっかく二刀流でカッコよく
登場なのにー。
綾さんも困ったコちゃんですねっ。
わがままは、いけません。
それに、その…そんなご褒美は
やっぱりダメですよぅ。
諷きゅんは、そばでそーゆーの
止めたいからいるのかな?
コレ以上暴走しないように?
それとも綾さん鈴ちゃんが
堕ちて行くの見てるの?
はぅぅ。諷きゅ~ん。
でもやっぱりファンのMMは、
信じたいのです。
蓮様もダメじゃないですかー、
ちゃんと椿ちゃん守ってあげて
下さいよぅ。
黒幕?昴様登場でいよいよ?
何か謎の解明が?
次回が気になっちゃいますー。

  • 2018/03/07(水) 12:52:06 |
  • URL |
  • TYPE MM04 #LkZag.iM
  • [ 編集 ]

こんばんは。お疲れ様です。

ああ、椿ちゃん……
蓮君も絶体絶命のピンチ。

諷君、可愛いくて強いけど、やはりどこか怖いですね。
そして綾様の特別サービス(それは置いといて)
綾様ご一行、一見明るいパーティですが、
何か混沌とした黒さを感じます。

とても続きが気になります。

  • 2018/03/13(火) 22:49:13 |
  • URL |
  • ひもたか #J9QgpxCQ
  • [ 編集 ]

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